僕と彼女のゲーム戦争

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

読了。

『ただの新入生に興味はない。この中にファミコンスペランカーをクリアできる人がいたら、放課後視聴覚準備室まで来るがいい。以上だ』


なかなか面白かったです。しかしまだまだプロローグ。
主人公はゲームをしたことがない読書中毒のぼっち高校生。読書に没入しすぎて、自らの感覚をシャットアウトして登場人物になりきってしまう特技(?) のせいで、転校した先でも図書館に引きこもるつもりだったが……というところで、『もしゲーム業界への政府の公認と援助があって、未成年者の所有できる携帯の機能が通話とメールに限定された世界だったら』 という話。実在のゲーム・会社・雑誌・webサイトの許可を得て、全て実名で書かれた小説です。
うーん、これはなかなか良かった。どういう風に話を進めていくのか、ただ単にだらだらとゲームをする話なのではないか、なんて想像をしていたんですが、どうも「特殊な素質を持った主人公がゲームにのめり込み、実力を発揮していく」 といったタイプらしいです*1。まーたこの手のタイプか……なんてちょっと思ったのですが、目的意識もなくだらだらゲームをするといった当初の想像よりはマシかな、といったところ。


それにしても、個人的な感想ですが、タクティカルジャッジメントや火風物語と違って高校生が主役だったせいか、読んでいるとなんとなく杉井光作品を読んでいる気分になりました。どこかしら似ている気がするんですが、どうでしょうかね?

*1:しかし最初はもちろん慣れていないので地味な結果に終わるわけですが、その辺は作者も分かっているのか、成長済みの未来の話をプロローグで描いて、起伏をつけている気がします。