ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち

読了。

これは何冊かの古い本の話だ。古い本とそれをめぐる人間の話だ。
人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある。人からの受け売りだが、正しい言葉だと思う。ただ一つ付け加えるなら、その「物語」 は美しいものとは限らない。目を背けたくなるような醜い内容もあるかもしれない。この世に存在するあらゆるものと同じように。


面白かった!
3月刊ですが、評判を聞いて購入。ふと奥付を見たら第4版でした。後日別の本屋で覗いたときは第5版。け、結構売れてるみたいですね……? ということで、古本屋に舞い込んだ4冊の本の話をまとめた、連作短編です。
何より魅力的なのは、安楽椅子探偵のように病院のベッドで座っているだけの美人黒髪ロングのオーナー、篠川栞子。対人コミュ能力がゼロのくせに、本に関する話題だけはすらすら喋れるようになるという、まさにビブリオマニアそのもの。この前者の「控え目、恥ずかしがり、引っ込み思案」 の性格と、後者の「ノリノリ、饒舌、頭の高速回転」 という変化っぷりが非常にツボでした。なんていうか、前者は小動物に対する保護欲を、後者は(実際そうだけど) 年上のお姉さんの頼りにしたくなる雰囲気をそれぞれ持ってて、両方をうまく刺激されました。もうね、そんな表紙のお姉さんがビブリオマニアとか、全力で突撃ですよ。
そして上記のような意味で、主人公に完全に感情移入してしまっていたので、エピローグ前後は非常に胸に刺さりました。……。うわああああああああああ\(^o^)/ 何これ!完全に作者の思うツボだよ! 作者の仕掛けた思惑にぴったりフィットだよ!


というわけで、読書が好きで、表紙のお姉さんが好みっていう人には全力でお勧め。これ、続き出ないのかな。出る可能性もあるよね!