翼の帰る処 3 上 歌われぬ約束

読了。

「うっかり口説かれてしまいました」
皇女はぱっと振り向いた。うっかりといえば、この勝ち気で間抜けで聡明なあるじに本気で仕えてしまっている現状が、かなりうっかりである。翼臣になってほしいといわれて、断れなかった。まさにうっかり口説かれた形である。
周囲はなぜか気づいてないようだが、実のところ、ヤエトはかなり迂闊な人間だ。


ああもう、面白いなあ!
下巻の予定が立つまでは絶対に読まないぞ! と積んでから早一年。積ん読が一時的になくなってしまったので、つい手を出してしまいました。というか、もう一年も経ってたのか……。あとがきで作者の周囲が「一年待つくらい余裕」 なんてコメントしていますが、まさにその通りになってて笑ってしまいました。
そして積んでから一年経っていたということは、二巻を読んでからも時間が経っていたということで……。二巻がどんな話だったか、どんな終わり方だったか、さっぱり忘れてしまっていて、いきなり倒れてるヤエトという展開に驚きました。ど、どんな話だったっけ……?*1 そして三巻はさらに北方という地名と人名が増えて、下巻のころには北方の固有名詞、北方と北嶺国との関係、北方同士の関係など、完全に忘れていることでしょう。うむむ……。
以下コメント。191頁「では、忘れません。覚えていさせてください」 皇女との関係がもうね。ゆっくりと熟成されてきたのではないですか。そうそう、皇妹の例の提案は笑わせてもらいましたが、発破かけてるようにしか見えませんよねー。238頁「……わざとですね? わざとわたしを困らせようとなさっている!」 ここのナグウィンとの会話も面白かった。面白かったなあ……(´;ω;`)ブワッ


北方のヤエト側も気になりますが、北嶺国のほうも今頃どうなっているやら。次も期待です。

*1:読み返したら二巻の終わりは砂漠の戦いから帰ってきた場面で、ヤエトが倒れた云々はありませんでしたが。