あなたが泣くまで踏むのをやめない!

読了。

「ス、」
スカートがめくれている ! !
職人が手作業で作ったような黒レースのパンツが見えている ! !
こ、ここで俺がすべきことは……すべきことは…………
「なむなむ」
拝むことだった。


あれ、すっごい面白い。
ちょっと待て。落ち着け。確かに面白かったけど……なんというか……そう、タイトルと口絵が余りにもったいない。釣りすぎる。読む前は「なんだ、また最近流行りの釣りタイトルか」 なんて思ってたわけですが、中身は真っ当なコメディ&ホームドラマでした。そうか、これ「空ろの箱と零のマリア」 で感じてた、『コメディパート面白いしもっと増やしてくれればいいのに』 の実現形だ。これはいい。面白くないわけがない。
というわけで以下コメント。93頁「ロリンちゃんは公式設定で14歳だ。そんな年増と結婚したいと思うはずもない」 駄目だこいつ、はやく何とかしないと……。123頁「典型的なネット弁慶だな」 ああ、こいつら面白いなあ。二人とも。317頁「下郎が。これで満足しましたか?」 そして一発で引きこまれたのがここ。下郎はお前だあああああああなんて脳内で言い返したくなるほど、話の中に引きこまれていました。恥ずかしい。323頁「うるせえんだよ! 今更お前のようなガキに言われないでも分かってるんだよ!」 そして深みを感じたのがここ。親を全うしてるんだよな……。ラノベでは珍しい普通の親。344頁「こいつと一緒の空気を吸うのも嫌っすよ!」 「耐えろ。これぐらい慣れて一人前だ」 そしてこのオチである。大笑いした。で、ですよねー。ただまあ正直、これで終わっても良かった。このオチでスパッと切ってくれたほうが……と思ったけど、よく考えたら”ゴールデンタイムと同じ” になっちゃうか。第五章を入れておいたほうが無難かなあ。



幼女の毒舌がくどいとか、主人公のツッコミがくどいとか、個人的にちょっと読みづらいところはあったものの、イロモノで済ますには惜しい内容。お勧めです。