翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下)

読了。

「なんだ、困らせるぞと宣言しても、困らぬのか」
「困っておりますよ」
「見えぬ」
「実に残念です」
「残念そうにも見えぬ」
「遺憾に存じます」


うむ、安定した出来なんだけど……どうもすっきりしない。
というのが何故か、しばらく考えていたんですが、どうも上巻の引きで「詰んだ」 となってから、あれよあれよという間に状況が変わってしまって、詰みからの達成感みたいなものが無かったんですね。北方からの脱出も、いわば”死んでルーラ” だったし、北方の問題自体もほっぽり出して別の人に任せちゃったし。たぶん、上下巻通しての目的がコロコロ変わったのが原因ってことかな。
でもまあ、相変わらずの隠居グセや、妙な人望の集め方や、意外と内心では毒を吐いてたりとか、面白かったと思います。


今回は上巻をギリギリまで積んでたおかげで、それほど間を空けずに読めました。次もそうしましょうか。