灼熱の小早川さん

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

読了。

「弾けたまえ。迷ったら、弾ける。若者にはそれしかない」
泰然自若と構える杉森が、心に訴えるような抑揚で言った。
「……スプラッシュ?」
「心の運動不足を、解消するんだ」


面白かったです。
なんかもうね、厨二心というか、痛い過去をくすぐられる感じでした。まず最初の、36頁「目悪くするからパソコンするなら電気つけな」 であるあるwww あるあ……る……orz となったところで、もうハマっちゃいましたよね。その後もなんかこう、思春期の嬉し恥ずかしみたいなのがリアルに思い返されて、読んでて背中に汗が止まらなかったです。
そんな風に感情移入を強めて読んでたので、第三章のラストで爆散して、行き着くところまで行き着いて、どうにもならなくなった状況を息が詰まる思いで読んでたんですが……残り20ページのところでサラッとどんでん返ししちゃって、おいおいちょっと上手く行きすぎじゃないか? というところが非常にモヤモヤしています。そこはもっとこう、ゆっくりと話し合って……というところを、一足飛びで結論まで行っちゃったので。


最後の展開をご都合主義と取ってしまいましたが、しかしよく考えると、この、なんだかよく分からない内に相手が結論を出すのもリアルかな、とも言えるので、これはこれで良かったのかな……。