おおコウスケよ、えらべないとはなさけない!

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

読了。

「――――ああん?」
螢が、チンピラになっていた。
もとより太めだった眉がますます味ノリみたいな太さになり、顎はしゃくれ、目は険しい三白眼に。顔には深いゴルゴ皺がざっくりと――。


おお、面白かった……。良かった。
好きな作家が文章系タイトルに手を出してしまって、やるせなさと共に買ったのですが……杞憂というかなんというか……。騙されたってほどではないのですが、タイトルから想起されるのは、まあ普通に考えて「三角関係ゆるゆるラブコメ」 だと思います。ところがどっこい、実際は真ん中の”ゆるゆる” を抜いて、”リトライ” と代わりに突っ込めば、一風変わった内容が少しは想像できるでしょうか。とにかく、ありきたりなものでなかったので一安心です。
ダブルヒロインのあっちがこうで、こっちがああでとか、金髪サブヒロインがなんか”ラスボスかっていうくらい不穏な雰囲気” とか、色々言いたいこともあるんですが……それより何より、「本好きの美少女からお勧めの本をどっさり渡されて主人公が本好きになっていく」 というのがもうね、クリティカルすぎてね、あばばばばばばばばばばば。……御多分にもれず、私も図書室を根城にする文系少年少女の一人でしたから。理系でしたけど*1。なんかもう、センチメンタルというか、郷愁というか。うう、懐かしいなあ……。戻りたいなあ……。



あとがきの「ヒロインが○○する話」 の伏字部分が気になります。”転生”? ”交代”? ”代替わり”? どれも劇薬ってほどでもないかなぁ……。

*1:現代文は特に勉強しなくても出来て、化学や生物は苦手な理系でした。暗記物が苦手で。今はもう数学も物理も何もかも出来ないですけどね!