龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02
- 作者: 秋山瑞人,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/01/07
- メディア: 文庫
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好物をせしめた野良猫のように身を翻して距離を取った。
「すごいと言うたな ! ? 確かに聞いたぞ ! ? もう取り消しはきかんぞ ! ? 」
くるるんと踊るように二回転、むふむふと忍び笑いを漏らしながら、
「そうかそうか。妾はそんなにすごいか。まあお主がそう言うのも無理もない。妾は誰かと違うて日々精進を積んでおるからな!」
凄かった!
正直01巻のことは覚えてなくて、それどころか「龍盤七朝……、ああ、ヒョウ(金票)使いが主人公で、最後に巨人が出てきた」 ってそれ古橋秀之のケルベロスでしたー! いやあ勘違い勘違い。あっちのイメージが凄すぎて、「あれ? 確か盲目の撞木持ちがいるはずだよな……蓮空のことか?」 なんて途中まで思ってました。こっちのほうの記憶は、読み終わった今になっても、「龍」 の婆さん、涼孤が闇で踊るシーン、城壁に登って夕日の中で絵を描くシーン、くらいしか思い出せません。どれも02巻で描写の出てきたシーンですけどね!
濃密な戦闘シーンもそうですが、235頁「――まあ、こんな話、あの子の前じゃとてもできないけどね」 やら、317頁「――あのさ、名前、何だっけ?」 やら、突き刺さる一言が凄い。おいおいそんなこと言わせちゃうのかよ! って思わず鳥肌が立つレベル。やっぱりこの作者すごいわ……(でも遅筆なのがどうしようもない) ってため息をつきました。
01巻を自炊して携帯に入れてたので、「あ、思い浮かべてた龍盤七朝はケルベロスのほうだ!」 って思ったときにさくっと読み返したのですが、あとがきで「全2巻」 とあったので、終盤は本文とは別の意味でどきどきしながら読んでました。良かった、まだ続くよね。そうだよね。