ライトノベルの楽しい書き方 10

読了。

「ギャルゲーの主人公ってね、面倒臭くてトラウマ持ちで厄介な女の子キャラのほうに行っちゃうと昔から相場が決まってるのよね。さんざんかませ犬臭漂うキャラづけで登場しておいて、今さら『実は意外にも暗い過去を背負うヒロインでした』 という隠し設定を繰り出して迫ってみても、やっぱダメかあ〜」

いい終わり方だった。
前回で、どうしようもない、引き裂かれるしかない……ってな終わり方だったので、はてさてどうしたもんか、って思ってたんだけど、まさかそう来るとは。最後までコミカルなところを忘れない展開なのは良かったな。さすがにずっとシリアスムードじゃしんどい作品だし。
さてこの世界、実は9巻から10巻の間に東日本大震災が起こったことになっていて、最初は「ええっ、そんな『現実に起こったことだからいくら無茶な展開でも許されるだろう』 的なやり方なの? ってことは9巻で泣き別れした後の展開は全然考えてなくて、震災後に思いついたの?」 なんて考えたんだけど、そもそも9巻は2011年の夏だったから震災後だったでござる。まあ、最初から考えていた終わり方が何にせよ、震災が起こったことで変えたくなったんだろうな……。実体験っぽい記述もあったし。


最後までめんどくさくてうんざりするようなキャラばっかりだったけど、それでも同じくらい楽しかった(ジャンクフード的だけど)。途中はちょっと惰性感が強かったけど、最終的にはそこそこ、まあ上々といっていい出来だったんじゃないかなー。とにかく、お疲れさまでした。