JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN
JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN
- 作者: 西尾維新,荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本
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わたしは確立しなければならないのだ。
天国に行く方法を。
どんな者でも。
悪人であろうと――愚かであろうと。
天国に行ける方法を、確立しなければならないのだ。
うーん、普通かな……。
DIOが遺した手記を復元したという形態で、天国へ行くための方法をDIOが備忘録として語ります。――というと、どうしてその方法を知ったのかっていうのも含めて説明されるのを期待しちゃうじゃないですか。普通は。緯度経度とか、「イチジクのタルト!」「ドロローサへの道!」 とか。しかし実際は、そういう点は詳しく説明されるわけではなく、ちょっとした由来が分かる程度。緯度経度に至っては本当に数字を羅列しただけ……と、西尾維新の苦悩の後が透けて見える感じです。
というか、悪の帝王だの何だの言ってるくせに文章では割と弱気というか、悩みまくりなのがイメージと違っててモニョモニョ。DIO視点での第一部と第三部が語られるので、ジョナサンに怒りを覚えていた理由とかは納得できるんだけど。まあ、実際の態度と文体が違ってるってよくあることだけどさ……。でもDIOには文章の中でも尊大でいてほしかった。
第三部でDIOを追ってくる承太郎たちに対して、「特に何もしてないのになんでこっち来んの?」 みたいな気持ちだったのは笑った。確かにそうだよなあ。あと291頁「無駄だった。にべもなく断られた」 とか、294頁「言うほど効果はないようだ」 とかも笑った。第三部ラストのあの緊迫した状況で、せっせこ机に向かって手記を書き続けてたDIOを想像するとなんとも笑ってしまう。
これでVSジョジョは二冊目だけど、今のところ乙一のThe Bookが一番好きな件。舞城王太郎は一冊も読んだことないけど、期待してますよ。