真世の王 黒竜の書/白竜の書
- 作者: 妹尾ゆふ子,金田榮路
- 出版社/メーカー: エニックス
- 発売日: 2002/05
- メディア: 単行本
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「これで、双方痛み分けということになさればよろしいでしょう」
またしてもあっさりとソグヤムが言いはなち、一同を沈黙させた。
――クルヤーグさまは、毎晩これにつきあっておいでなんだな。
それならあの剣幕も納得できる、とはじめてウルバンは心の底から思った。
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「滅ぼさぬ、努力」
「そうだ。あんたの好きな言葉だよ。立て、エスタシア。いずれ地の底に横たわる日が来るとしても、今は立てる。そうだろう?」
下巻を入手できたのでやっと読むことに。
面白かったです。
最初は世界観にちょっと戸惑いましたが、上巻の後半まで読んできてようやく理解が追いついてきました。視点人物が三人いるのも複雑さに拍車をかけてましたし、しかもそれぞれのパートが長いっていう……。しかし、理解が追いついた下巻からの吸引力は圧倒的。下巻では状況が一変して、希望なんてほとんど残ってないような雰囲気なのに、それでもなんとかふんばろうとするキャラクタたちにグイグイ読まされます。特に、129頁「おれが、あなたを助けたいと思っていたから」〜 132頁「私を、助けて」 わずかに間があいた。「かしこまりました」 の流れは素晴らしいですね。一人で我慢して一人で立って、誰も信じられないと思っていたのに、フッと心を預けたその瞬間の、泣けるくらいの安心感。ああ、凄かったな。
この作者はやっぱりすごいなあ。機会があったら他にも手をだそうかな……。
(Wiki検索中)
2012年で46歳ってのもすごいが、それより「異次元創世記 赤竜の書」が真世の王の前身だと……!? 読むしかないじゃないか。ジェンとイーファルがメインなんだったら、下巻のラストももっと凄かっただろうな……。れは。