サイハテの救世主 PAPER1:破壊者

読了。

「救急車はまだか……!」
悲痛なジャックマンの声で、周囲の人間も状況は察してしまっているようだった。
「もう、充分生きただろう」
葉が平然と放った呟きに、誰も反論しなかった。


なかなか面白かったです。
自分自身すら騙して沖縄に来た天才、あるいは天才という妄想に取り憑かれた気狂い……自分が沖縄に来た理由すら分からない、という仕掛けは良かったですね。対立軸が基本的に今の自分vs過去の自分になっていて、過去のほうが凄かったもんだから、これからも熱い展開が続くと思われます。
ただ、自分の中での天才といえばやはり森博嗣真賀田四季なので、この天才はどうなの? という気持ちもあります。323頁「異性の肉体に欲情するようなクソ凡人の真似は結構ですと、普段から申し上げておりますよね?」 あたりを読むと、昔から助手に意識が向くこともあったみたいだし、ラストでも永住しようとか何とか言ってる。その隙のある姿と、文中で冷徹に計算した姿が重ならないんですよねー。まあ、巻が進めば違和感も吸収されていくでしょう。


サブタイの意味がようやく分かって、次はPAPER2か……ってところで、次も期待です。ムシウタマダー?→7月刊行でした。